川沿いを散歩していた時、水面にくっきりと映された景色を見つけた。 視界の端から端まで延々に繋がった水鏡の景色に私は興味をひかれた。思わず顔を横に向け、今度は視界を縦に見ることで、途端に景色だったものが底のない下方から空高くまで伸びる柱のような塊に見え、あるいは得体のしれぬ巨大な生物と対峙しているような、存在の恐さを感じた。 この作品では、人工的でありながら有機的な形を持ち合わせている造花の花弁を一枚一枚貼り合わせることで、その時に見た水鏡の景色の恐さを抽出し目の前に再現しようとした。 さらに、これまで水平方向で考えていた「reflectwo」を垂直方向に配置、再構成することで、reflectwoの元となった景色の塊を発見した当時の感覚そのものに引き寄せ、それを象徴的に表した。
人工と自然、生と死、強烈な景色には不思議とその両義性が宿る。 この景色の塊を発見した当時の感覚そのものに引き寄せそれを象徴的に表し、この世界の存在の強さと対峙することで、どこかお寺にお参りする時のような居心地を作ることができたらと思う。