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Photo:Kenshu Shintsubo

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虫へんはみんなむし-蟲をめぐる博物誌

カエルも、タコも、虹も、ハラノムシも
昆虫だけではない「虫偏」の生き物を網羅する、荒俣宏監修の異色の博物画展


展覧会メインビジュアル

■蝶、蛙、蜂、蛸、蛇、虹、そして腹の虫まで、あらゆる「虫」の世界をめぐる展覧会

角川武蔵野ミュージアム博物部門のアドバイザリーボードを務める荒俣宏氏は、博物学の研究者としても知られ、大著『世界大博物図鑑』を世に送り出しました。氏がその編纂の過程で収集した博物画のコレクションは現在、当館に寄贈されています。

今回、2026年4月から9月に開催された「鳥」をテーマにしたものに続き、「虫」をテーマにした博物画コレクションを紹介する展覧会を開催します。

写真や顕微鏡写真がなかった時代、画家や博物学者たちは、観察した動植物の姿や特徴を博物画として自ら描き残し、研究者たちは標本を集め分類学などの基礎を築きました。図譜が描かれた当時の「虫」は、現在の生物学における「昆虫」よりも広くとらえられていました。

メーリアンの『スリナム産昆虫変態図譜』にはトカゲやクモ類が描かれ、江戸時代の『千蟲譜』には、「蛙」や「蝦(エビ)」など虫偏がつく生き物は「虫」として記載されています。古代中国の古典『礼記』では、動物を「五虫」に分類し、その中には人間も含まれていました。このように、「虫」という言葉が指し示すものは、時代や文化、そして人間の自然観によって大きく異なります。

自然を収集し、分類するという行為は、人間が自然をどのように見つめ、理解し、利用してきたのかという歴史そのものでもあります。本展を通じて、時代とともに変化してきた人間と虫との関わりに思いを巡らせてください。

■展覧会の見どころ

●写真の無い時代に緻密に描かれた博物画――世界をめぐる虫
近代以前のヨーロッパでは、「虫」の概念は現在よりも広く捉えられていました。その後大航海時代を経て植民地が拡大し、18世紀から19世紀にかけ「博物学の時代」が到来すると、世界各地からもたらされた多くの動植物を観察し、描き、分類することに情熱が注がれました。

18世紀半ばにはスウェーデンの博物学者リンネが生物の分類体系を築き、その弟子ファブリキウスが昆虫分類をさらに発展させました。ここに「脚が6本ある動物を昆虫とする」という、現在へとつながる昆虫学の基礎が築かれていきます。

本展では、美しい手彩色図版で知られるドノヴァンの『イギリスの昆虫』(1813)をはじめ、南米探検の成果をまとめたドルビニの『南アメリカ探検』(1835-59) などを紹介します。自然の中で生きる姿を描いた芸術性豊かな博物画から、標本のように形態を正確に示す精密な図譜まで、博物学の発展とともに変化した「虫」へのまなざしを紹介します。

エドワード・ドノヴァン『インド昆虫史要説』より
From the book An Epitome of the Natural History of the Insects of India, Edward Donovan

●虫偏がつく漢字の生き物はすべて虫――日本人が見た虫の世界
江戸時代、徳川吉宗による政策のもと薬種の国産化や薬草研究が奨励され、日本各地の動植物を調査・記録する本草学が大きく発展します。また平賀源内の師でもあった本草学者・田村藍水は、日本各地の産物を集めて展示する「物産会」を行った重要な人物でした。その実子である栗本丹洲はこうした本草学の知識を受け継ぎ、日本で最初の虫の図鑑といわれる『千蟲譜(せんちゅうふ)』を完成させます。『千蟲譜』には昆虫だけでなく、クモ、カニ、ムカデ、ミミズなど、現代の分類では昆虫に含まれないさまざまな生きものが描かれています。当時の「虫」は現在よりも広い意味を持ち、虫偏がつく漢字の生き物はすべて虫と考えられていました。

本展では『千蟲譜』など、日本で書かれた虫に関する博物本を展示。その中には、怪談「播州皿屋敷」の“お菊さん”から由来したお菊虫も掲載され、当時の幅広い視点が垣間見えます。自然の生きものを観察し、知識を深めることそのものを楽しむ江戸時代の博物学の姿勢をご覧いただけます。

●見えない虫を見ようとして――体の中にひそむ虫を解説
日本では古来より、病気や、さまざまな人間の感情や欲求は、人の体内に宿る目に見えない「ハラノムシ」のしわざだと考えていました。「虫の知らせ」「虫の居所が悪い」「虫唾が走る」といった慣用句にその名残をみることができます。

本展では、戦国時代の医学書『針生書』に描かれた個性豊かな「ハラノムシ」を展示(画像データ展示)。体の内部を直接見ることのできなかった時代に、病気や体の様子を虫の形で表した貴重な資料です。

また現代における体内の虫は「寄生虫」として、その形態や生態、人体への影響が明らかになってきました。会場では貴重な寄生虫標本とともに、かつて人々が想像した「ハラノムシ」と、科学の進歩によりその姿が明らかになった「実際の虫」を見比べることができます。見えない虫の姿を手がかりに、人間は自らの身体と虫をどのように捉えてきたのか、その関係を探ります。

開催概要

 

展覧会タイトル:虫へんはみんなむし-蟲をめぐる博物誌

英語タイトル:A Natural History of Insects, Bugs, Worms and More

会場:角川武蔵野ミュージアム4階 荒俣ワンダー秘宝館
会期:2026年10月17日(土)~2027年4月5日(月)
休館日:毎週火曜日、12月31日(木)、2027年1月1日(金)、1月18日(月)~1月22日(金)
    ※ただし11月3日(火・祝)、12月29日(火)、2027年2月23日(火・祝)は開館

開館時間:10:00~18:00(最終入館は17:30まで)
主催:角川武蔵野ミュージアム(公益財団法人 角川文化振興財団)

監修:荒俣宏
協力:東京大学総合研究博物館、公益財団法人目黒寄生虫館


チケット価格(税込): KCMスタンダードチケット(本棚劇場含む)
●オンライン購入、当日窓口購入
一般(大学生以上):1,400円/中高生:1,200円/小学生:1,000円/未就学児:無料

※本展覧会の他、当館のスタンダードチケットエリア(常設展エリア)をご覧いただけます。
※展示替えなどにより、日程によっては一部エリアに入場できない場合がございます。
※「1DAY パスポート」チケットなどでも本展覧会をご覧いただけます。詳細は公式サイトでご確認ください。

 

※休館日、営業時間、チケット料金などは変更となる場合があります。最新情報は営業カレンダー、公式サイトをご確認ください。
※展示内容が変更、または中止になる場合がございます。予めご了承ください。

 

開催期間 2026年10月17日[土] 〜 2027年04月05日[月]
開催エリア 4F 荒俣ワンダー秘宝館
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