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Photo:Kenshu Shintsubo

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本棚劇場シネマ ~無声映画×活弁×生演奏~

100年前の無声映画を本棚劇場で上映

映画の草創期となる約130年から100年前の無声映画を、本棚劇場で上映します。

普段はプロジェクションマッピングを投影している本棚にスクリーンが設置され、1日限りのシアターに大変身します。

場内には弁士、楽士が登場し、ライブで無声映画に台詞と音楽を付けて上演。

さらに当館の博物部門ディレクターである荒俣宏氏も出演し、無声映画について解説します。

今回上映する映画のフィルムと使用する映写機は、すべて評論家・紀田順一郎氏が収集した貴重なもの。

弁士が語り、楽士が奏でる活弁の世界。ぜひお楽しみください。

荒俣宏氏からのメッセージ

 汽車が猛スピードで突進してくる、
 俳優がいきなり消えたり、
 劇場の大画面で観る「動く写真!」に、観客は仰天した!
 
これが19世紀末に登場した夢の新メディア、「映画」のはじまりだ。
最初の40年間、映画に音がなく、オーケストラが生演奏したり、擬音をいれたり、日本では「弁士」がセリフを独りで語りわけるという発明がくわわった。
世界のどこにもない日本のふしぎな「活動写真」は、こうして明治・大正の日本興行界を駆けぬけた。
いま、そんな文明開化の魔術のような初期映画が、当時そのままに再現される! 
青春おどる、心も燃える、キネマの世界へ。
「さあさ、お代は観てのお帰りだよ~!!」。 

本棚劇場での上映イメージ

▲本棚劇場での上映の様子

上映作品

  • 専売特許 It’s A Gift (1923年公開) ※上映時間 約14分

監督 ヒュー・フェイ
主演 スナブ・ボラード

専売特許01 専売特許02

ソラマメ顔に大きなヒゲが特徴のコメディアン、スナブ・ポラードの代表作。あっと驚く奇天烈発明、今から100年前に強力磁石で動く最先端のエコカーが登場!

<あらすじ>
発明家スナブのマイカーは、強力磁石で動く自動車。
この自動車を売り込むために自動車メーカーへ向かうが、うまくいかず…。

 

  • リュミエール 映画の誕生 (1895年公開) ※上映時間 約18分

リュミエール 映画の誕生01 リュミエール 映画の誕生02

今日の映画をつくり出したリュミエール兄弟が自ら撮影した作品。
工場から出てくる人々や夫婦と子どもなどの日常的な風景が映されており、ホームビデオ的な映像となっている。
世界ではじめてスクリーンに映された映画とは…。現代につながる映画の誕生に立ち合おう。

  • 月世界旅行 (1902年公開) ※上映時間 約10分

監督・脚本・主演 ジョルジュ・メリエス
原作 ジュール・ヴェルヌ「月世界旅行」「月世界へ行く」

「月世界旅行」 月世界旅行02

奇術劇場の興行師であったメリエスが発明したトリック映画の傑作。サイレント映画の時代から特撮映画があったことから分かる作品。弾丸型ロケットが月に命中する名場面は見どころ。

<あらすじ>
探検隊がロケットで月に行き、月世界の住人に捕らえられるが、月の兵士との大乱戦の後にロケットで地球に帰って来る。

 

  • カリガリ博士 (1920年公開) ※上映時間 約63分

監督 ロベルト・ヴィーネ
主演 ヴェルナー・クラウス
脚本 ハンス・ヤノヴィッツ、カール・マイヤー

カリガリ博士01 カリガリ博士02

原作では狂気の挑発者であるカリガリ博士を告発する話となっているが、監督(ロベルト・ヴィーネ)はこの物語そのものが妄想であるという話に変更している。
独裁者に操られるドイツ民衆を暗示する、不気味にゆがんだ背景美術に注目。

<あらすじ>
精神病院患者の回想録として始まり、本編に入り、結末は患者が回想を終えて暴れ出し、カリガリ院長の診療を受ける。夢遊病者を支配するマッドサイエンティストのたくらみとは何か?

上映会概要

●イベント名:本棚劇場シネマ ~無声映画×活弁×生演奏~

●参加対象者:該当時間のスタンダードチケット、1DAYパスポート、イブニングパスポートをお持ちのお客様は、ご観覧いただけます。

●実施日:10月28日(土)

●実施時間:14:45開場、15:00開演、18:00終了(予定)

●参加場所:4階本棚劇場

●申込方法:当館HP→ご利用案内→チケット購入→10月28日をお選びください。→ご希望の券種を選択

出演者紹介

当館博物部門ディレクター・荒俣 宏

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1947年、東京生まれ。作家、翻訳家、博物学・妖怪研究家、風水師。慶応大学法学部卒業後、日魯漁業(現マルハニチロ)に入社。コンピューター・プログラマーとして10年間のサラリーマン生活をおくる。その間、紀田順一郎氏らと、雑誌「幻想と怪奇」を発行。英米の幻想文学などを翻訳しつつ、評論も展開。独立後は翻訳、小説、博物学、神秘学などジャンルを越えた執筆活動を続ける。また愛書家として知られ、稀覯本の蒐集家としても有名である。代表作に350万部を超える大ベストセラー『帝都物語』(日本SF大賞受賞)、古今の博物学の集大成といえる大著『世界大博物図鑑』(サントリー学芸賞受賞)などがある。京都国際マンガミュージアム館長。世界遺産熊野本宮館名誉館長。

 

活動写真弁士・大森くみこ 公式サイト

活動写真弁士・大森くみこ   

2012年弁士デビュー。関西をはじめ全国各地での無声映画上映会、国内外の映画祭等に多数出演。ロサンゼルスで行われた「The Art of the Benshi」(2019)にて好評を博す。天満天神繁昌亭昼席(寄席)に色物定期出演(2014~)新作無声映画「I AM JAM ピザの惑星危機一髪」(2022)では出演と活弁を担当。関西弁も駆使したコメディポップな作品からシリアス作品まで硬軟問わずの語りが持ち味。ラジオパーソナリティー、ナレーターとしても活躍。ラジオ関西『羽川英樹ハッスル!!』『Playlist of Harborland』ラジオ大阪『Hit&Hit』レギュラー出演中。

 

ピアノ・鳥飼りょう

楽士

サイレント映画の楽士。ピアノ、打楽器を演奏。全ジャンルの映画に即興で伴奏をつけ、これまでに伴奏した作品数は700以上。国内外の映画祭や劇場等での伴奏付き上映に多数出演している。2018年、神戸発掘映画祭でフィルムアルヒーフ・オーストリア(オーストリア国立アーカイブ)が修復した『オーラックの手』デジタル復元最新版のワールド・プレミア上映で伴奏を担当。2021年、ピアノを常設する映画館を巡る全国ツアー「ピアノ×キネマ」を開催。現在、最も上映会で演奏する楽士のうちの一人として関西を中心に活動している。無声映画振興会代表。

 

映画フィルムの収集者

評論家・紀田順一郎
 
紀田順一郎
 
1935年、横浜市生まれ。慶應大学経済学部卒。文芸評論家、作家、翻訳家。荒俣宏と共に「世界幻想文学大系」などの怪奇幻想文学の叢書を複数刊行。『古典映画ロードショー』のほか、『乱歩彷徨』『幻想怪奇譚の世界』『東京の下層社会』『M・R・ジェイムズ怪談全集』などの著書、編訳書多数。『幻想と怪奇の時代』で2008年度日本推理作家協会賞受賞。

 

紀田順一郎コレクションとは

評論家・紀田順一郎は、古典映画の価値を評価するため、まだビデオすらなかった昭和40年代からフィルムを収集し、手ずから映写機で映写するという方法を採用した先駆者だった。このたび紀田氏のご好意により、秘蔵映画フィルムの8mmサイズの作品160点以上が当館に収蔵された。


【本棚劇場イベント時の注意事項】
※13:45~19:00まで本棚劇場のプロジェクションマッピングはご覧いただけません(予告なく時間が前後する場合がございます)。
※13:45~14:45の準備時間、
17:50~19:00の撤収時間は、本棚劇場にご入場いただけません(予告なく時間が前後する場合がございます)。
※13:45~19:00まで本棚劇場及びアティックステップにある書籍の閲覧はできません。
 また一部立入り禁止とするエリアがございます(予告なく時間が前後する場合がございます)。
※イベントの観覧は立見にてお願いいたします(立見が困難なお客様は本棚劇場内のスタッフまでお声掛けください)。
※イベント中はご自由に本棚劇場に入退場いただけますが、混雑状況により入場制限を設ける場合がございます。
 また上映中にご移動される際は、鑑賞中の他のお客様へのご配慮をお願いいたします。
※イベント中は一切の撮影が禁止となります。
※イベント中は、本棚劇場で通常より大きな音が発生する可能性がございます。

 

開催期間 2023年10月28日[土] 〜 2023年10月28日[土]
開催エリア 4F 本棚劇場
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