タグコレ タグチアートコレクション大公開!

「タグコレ」展をより深く理解するための関連用語集(五十音順)

「▶」は関連項目

  • アートフェア..... 広い会場で多数のギャラリー(画廊)が一堂に出展し、作品を展示・販売する期間限定の展示即売会。世界各地で各種行われている。 ギャラリー

  • アクリル..... 合成樹脂をメディウムにしたアクリル絵の具のこと。メディウムとは、顔料(色の粒)を紙や布に定着させるための溶剤を指す。油絵の具の場合は乾性油が、水彩絵の具の場合はアラビアゴムなどの天然樹脂がメディウムである。アクリル絵の具には水溶性のものが多く、乾燥が早く、乾いたあとは耐水性をもつため、手軽な画材として、学校教育からプロの画家の制作に至るまで幅広く使われている。

  • アドバイザー..... アートコレクターに対して、移り変わる美術品の評価や美術界の動向などを踏まえて、購入作品を進言し、コレクション形成の助けをする役割の人。国際的な視野が絶対条件で、資産的価値の担保とコレクション充実のために重要な役割を担う。海外では多くのコレクターが活用し、その存在は普及している。

  • アパルトヘイト..... 南アフリカ共和国での人種隔離政策のこと。かつて南アフリカでは、白人と非白人とのあいだの人種差別が法律上で存在していた。1994年に全人種による総選挙が初めて行われ、撤廃された。

  • インスタレーション..... 美術作品のジャンルのひとつ。絵画や彫刻などの単体の作品に対して、展示空間を含めて作品とする形式。設置された場を体験させることを目的とし、多様な表現が展開されている。

  • エディション..... 写真やビデオ、版画などは同一作品の複数制作が可能なため、主に作家が任意に制限するその点数を指す。希少であることが、価値や価格に反映される。例えば作品に付される1/30という表記は、30のエディション数のうちの1番という意味。一方で絵画や素描など、まったく同じ物が存在しえない場合はオリジナル作品、モノタイプやモノプリントなど1点物の版画はユニーク作品と呼ばれる。

  • LGBTQ..... 性的マイノリティーを表す言葉。レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョニングの頭文字から成る。 ジェンダー、性的マイノリティー

  • オークション..... 日本語では競売。美術品の場合、作品の所有者あるいはその代理人が出品した作品に、高額を提示した者が購入できる仕組み。購入者には、オークション会社に対する手数料も発生する。

  • 画廊..... ギャラリー

  • キャプション..... 見出し、字幕などの意味だが、美術作品においてはその説明文となる。情報として、作家名、タイトル、制作年、素材および技法、サイズおよび時間、所蔵元などを主な内容として提供する。作家の略歴や解説文などが追加される場合もある。

  • ギャラリー..... 美術品や工芸品などを展示する場所。その販売を目的とする商業スペースを、コマーシャルギャラリーともいう。取り扱う作品にはそれぞれに個性があり、画廊と称しても絵画のみを扱うとは限らない。特に現代アートのギャラリーが扱うジャンルは多様である。作家との合意や契約により、作家の作品を最初に扱うギャラリーはプライマリーと呼ばれ、二次販売の作品を扱うギャラリーをセカンダリーと呼ぶ。セカンダリーの商法は、ときにセレクトショップの在り方に近い。 セカンダリー

  • 具象画..... 具体的な対象物を描いた絵画。具象絵画とも。 抽象画

  • グラフィティ..... 原義は「落書き」の意で、スプレーやインク、ペンなどを使って、街なかの壁などに絵を描く行為、またその作品を指す。アートの形式と捉えた場合、グラフィティ・アートとも言われる。ストリート文化、特にヒップホップ文化と縁が深い。 ストリート・アート

  • 小山登美夫ギャラリー..... 現代アートにおいて日本を代表する画廊のひとつで、多数の現代アーティストの展覧会を行う。若き日の奈良美智や村上隆を見出したギャラリーとして名高い。1996年に開廊。数度の移転の後、現在は六本木と天王州にギャラリーを構える。オーナーの小山は、ミスミコレクション、タグチアートコレクションの形成期に大きな役割を果たしている。 ギャラリー

  • コラージュ..... フランス語で「糊づけ」を意味する、絵画技法。紙素材の切り抜きや物体などを紙面上に組み合わせて貼りつけ、画面を作った作品。20世紀に入ってから、芸術作品として発表されるようになる。

  • サイズ可変..... デジタル時代に入ると、作品は「物」としてだけではなく、データとして購入される場合が増えている。その場合、展示する機会ごとに出力(プリント、映像投影など)することになり、場所に合わせてサイズを変更することも許される。作家の意向によってサイズの上限や下限が決められることが多い。

  • サイトスペシフィック..... 「特定の場」「固有の場」を意味する。展示される場所の特性や固有性を活かした作品や手段のことを指す。美術館などのホワイト・キューブの展示空間とは真逆の考え方に基づいている。 ホワイト・キューブ

  • ジェンダー..... 生物学的な性とは異なる、性の多義的な概念。とくに、性別に関して広く認知されている社会的な規範(男性らしさ、女性らしさなど)を指す。ジェンダーは、性差別に関わる問題になりうる。 LGBTQ、性的マイノリティー

  • シュルレアリスム..... フランスの詩人、アンドレ・ブルトンを主導者とし、1920年代から隆盛した芸術運動。超現実主義とも。文芸、美術、映画など、その連帯者は芸術全般に及び、国際的に多大な影響力をもった。理性の否定、無意識の称揚などを特徴とした。

  • シルクスクリーン..... スクリーンプリント

  • スクリーンプリント..... 版画技法の一種。インクが通過する穴とインクが通過しない部分を作ることで製版し、印刷する孔版画。平板な色面を生み出す点に特徴があり、シルクスクリーン、セリグラフとも呼ばれる。

  • ステージド・フォトグラフィー..... 現前する風景を記録する媒体としての撮影ではなく、写真画面の中に映画のセットのような虚構の世界を構築する技法。写真技術の進化も伴って、その表現は多様になっている。ストラクティッド・フォトグラフィーと同義。

  • ストリート・アート..... 街の中、特にストリートを表現の場としたアート。壁面などにスプレーなどを用いて描かれる絵画は、主に非合法で描かれるために「落書き」(グラフィティ)とも称される。1970年代のニューヨークでの描画が、アートとして見られ始める契機となった。 グラフィティ

  • 性的マイノリティー..... 男女の異性愛を主流(マジョリティー)とした場合の、性的志向における少数者を指す。性的志向が同性の人、性自認に違和のある人など。性的少数者。 LGBTQ、ジェンダー

  • セカンダリー..... 「二次販売」の意。美術市場では、作家の新作が最初に販売されるギャラリーをプライマリーと呼び、いったん所有した者から転売される作品を扱うギャラリーをセカンダリーと呼ぶ。プライマリー価格は定価、セカンダリー価格は時価と考えることができる。 オークション、ギャラリー

  • セルフポートレート..... 自画像。絵画、彫刻、写真などで、作家自身を対象とした作品。

  • ソーホー..... この場合、ニューヨークのダウンタウンにある地域。1970年代以降、倉庫街であったこの地区の地価の安さ、建物の空間の大きさ、天井の高さなどから芸術家やデザイナーが好んで住んだり新手のギャリーが進出したりしたことで、最先端のアートに触れられる街となった。現在は様変わりし、ファッショナブルな街として知られる。

  • タグボート..... 現代アートの販売・買取を行う、国内最大級のネット通販ショップ。ギャラリー運営やイベント開催なども実施する。田口弘が設立した新規事業開発企業、株式会社エムアウトの一部門を受け継ぎ、徳光健治を代表取締役として2008年に設立。 ギャラリー

  • 抽象画..... 具体的な対象物を描かない絵画。完全に対象物を排除した純粋な抽象から、人物や風景を見たままには描いていない作風まで含まれる。美術史上では20世紀初頭に始まったとされる。抽象絵画とも。 具象画

  • ビッド..... オークションで、買い手が買取希望価格をつけること。 オークション

  • プロパガンダ..... 例えば国民の世論や行動を誘導するために、国家などが行う政治宣伝のこと。権力者による情報操作などを指す場合も多い。

  • ペインティング..... 油絵や水彩画など、彩色された絵画全般。主にキャンバスやボード(木板)などに描かれた作品のみを指す場合もある。

  • ポストコロニアリズム..... 植民地主義が政治や経済、文化などにどのように影響したかを検証、分析する思想。主に、その現状をいかに変革するかを問題意識とする。

  • ポップ・アート..... 1950年代にイギリスで生まれ、1960年代のアメリカで開花した現代アートの動向で、勃興する大衆文化を美術表現の基盤に置いた。戦後の大量生産・大量消費文化やサブカルチャーを積極的にモチーフにし、人々にとっての新しい生活様態を美術の中で表現した。

  • ホワイト・キューブ..... 直訳すると「白い立方体」となる。白一色を基本とし、装飾的なものを排除した展示空間で、アート作品の展示に最も適しているとされる。20世紀初め以降に造られた美術館のほとんどはホワイト・キューブに則っており、作品が有する視覚情報以外によって鑑賞者は影響されるべきではない、という考えに基づく。 サイトスペシフィック

  • ミクストメディア..... 直訳すれば、複合的手段ということになる。作品を作るのに一つの材料だけではなく複数の材料を用いる場合、技法・素材・材料についてこう表記されることが多い。ただし、使用した材料を細かく記述する作家もいれば、それを避けて「ミクストメディア」とのみ記述する作家もおり、明確なルールがあるわけではない。

  • リトグラフ..... 保水性の高い石灰岩の板を用い、水と油の反発を利用した版画の技法。画家が直接版面に油性の画材を用いて描き、それが版となるため、まるで直接描かれた絵のような効果を生む。日本語では石版画とも。

[文:阿部謙一、神野真吾]